古い、そして、新しい。
本来、捨てられていくものに吹き込む新たな価値

外で風雨に晒されて、長い時を過ごした建物の壁には、その場所の歴史が刻み込まれた豊かな表情のものがたくさんあります。
しかし、そのような古い建物は用が無くなると、一瞬にして壊され、この世界からことごとく姿を消していきます。
私たちは、そのままにしていては失われてしまうものを内装に持ち込むことによって、
今までになかった感度の高い空間をつくる新しいプロジェクト"SOTOCHIKU"(外築)を始めました。




"SOTOCHIKU"とは?

空間の「質」について人が語るとき、いつも忘れがちなのは「時間」という要素です。 多くの場合、真新しい材料のみで空間がつくられますが、空間も生き物と同じで、月日が経てば『時間とともに老いる』ことになります。

しかし、時間という自然の作用が、むしろ空間の魅力を増してくれることがあるのを、人は忘れがちです。

私たちは、創業以来20年に亘って、古いものの持つ魅力を新しい空間づくりに活かす工夫を続けてきました。現場のスケルトン状態(建物の骨格のことをいう。壁・柱・天井のみの状態)に場の歴史を感じることができれば、それを生かすプロジェクトも多数実現してきました。 なぜなら、そうやってより長く愛される空間をつくることができると考えたからです。

その効果は、<弊社が今までにつくらせていただいたお店には、長く続いているお店が著しく多い>という結果に表れているかもしれません。

■ 新築にも「時間」を持ち込む。

『古いものの持つ魅力を新しい空間づくりに活かす』という私たちのコンセプトをさらに明確化し、古い建物だけでなく新築などあらゆる建物の中でその効果を実現するために、今回、"SOTOCHIKU"というプロジェクトを始動しました。

このプロジェクトは、外に在って風雨に晒され風化したものから、心にかかるものを見つけ新しい内装空間に持ち込むというものです。

壊れゆくものを、新たにつくるものと共存させることで、重層的な時間が感じられる空間になり、より感度の高い人々を惹きつけることになるでしょう。



その空間が生む効果。

いうまでもなく、空間がたくさんの人に長く愛されるために最も大事なものは、その空間を運営するオーナーの意識の高さです。私たちは、オーナーの背中をできるだけ強く押すことのできる空間を提供することに専念しています。私たちのこれまでの経験から、このプロジェクトによって、次のような効果をさらに強めることができると確信しています。

■ 訪れた人はまるで「自分の空間」のように感じて、リピートする

重層的な「時間」を感じられる空間をつくることは、どんな効果を生むのでしょう。 画像を見ていただければ、お分かりいただけると思いますが、例えば・・・、

古い、そして、新しい。
冷たい、そして、温かい。
汚い、そして、美しい。

という「矛盾」ともいえるような性質を持つ空間ができあがるのです。

一般的には、「新しい」「温かい」「美しい」 など、誰もが同じ感想を抱くようにつくられる空間が多い のですが、このようなつくり方をすることで、一人一人 が自分の価値観で向き合うような空間になります。

だから、その空間を好ましく思う人は、自然にまた訪れたくなります。

それはその空間をまるで「自分の空間」のように感じるようになるからだと、私たちは考えています。




■ その空間に接する人の感性に働きかけて、
創造的な発想を後押しする

このようにしてつくられた空間は、訪れる人の感性に働きかけて、自分の感性や価値観を大切にすることを促し、やるべきことに対するモチベーションを高めます。自分のライフスタイルとも関係するほどの深い関わり合いを空間に感じる人もいらっしゃいます。

お店でも、オフィスでも、そこで時間を過ごす人たちの交流が生まれ、自然に創造的な発想が生み出されるようになります。

弊社がつくらせていただいた場所を起点にして新しいプロジェクトが生まれることは、とても多いと感じています。




■ 人と人との距離感を近づける

どんな人でも幅広く受け入れて、その間に垣根を感じさせない「自由になれる空間」をつくることで、人と人が距離感を近づけ、何でも話せる、良い会話が生まれる場所になります。




■ 引渡し後も空間を柔軟に変化させることができる

「自由になれる空間」になるため、スタッフの創造性を刺激し、時代の変化に合わせて、引渡し後も柔軟に変化させていくことができます。




■ 違う時代に生きる人とのつながりを感じる

例えば、いなくなった身近な誰かのことを言葉で表現して、その人の存在を感じることはとても難しいですが、その人が暮らした部屋に入ったときに、まるでその人がそこにいるかのように感じる経験を持つ人は多いのではないでしょうか。

古い壁の風化の跡も、その断片が新しくつくられる内装空間に残されるだけで、そこで過ごす人は、その時代に生きた人の気配を感じ取ることができるのではないか、と想像しています。

そのくらい、ものが持っている言語化できない情報量は多いと思うのです。


私たちは単に、古いものに囲まれた懐古的な空間をつくろうというのではありません。新しい空間づくりに、「朽ち滅びていくもの」と「新しくつくるもの」という逆向きのベクトルを共存させることで、過去の違う時代に生きた人と現在をあたかも一緒に生きているかのように、ほのかなつながりを感じられる空間をつくりたいと思っています。

そして、そのような空間は未来に生まれ来る人達へも、現在や過去を繋げていく役割を担っていくものになるでしょう。

今はほぼすべての空間が新しい材料だけを使用して、いわば「核家族的」につくられていますが、SOTOCHIKUによってかつての3世代、4世代で一緒に住んでいた頃の温度を取り戻していくことにつながるのかもしれないと思っています。






Cliant Interview

Real Clothes(美容室) / 四元 弘忠

きっかけは、ネットで たまたまみつけた文章から。

初めて依頼をした理由は、グリッドフレームの田中さんの「汚し得る美」という文章をネットで見つけ、すごいこだわりだなと感じたんです。それで直感的に「この人だ」と思いました。実は、今まで自分がやってきた店舗の内装について、違和感を感じていました。パリで出会った「職人」のような美容師たちの影響が大きかったのかもしれません。飾り立てたり、大げさな装飾はいらなくて、無機質なアーティストのアトリエのようにしたいと思っていたんです。田中さんと出会って、話をするうちに、ちょっと難しくて全部を理解することはできなかったのですが(笑)、とにかく凄いことをやってくれそうだと感じまして、お任せしようと決めました。

―内装について、どのようなことを大事にしましたか?

僕がオーダーしたのは、2つ。「アーティストが絵を描く空間のような、作業場にしてほしい」「一切手を抜かない、手仕事の空間にしてほしい」ということだけでした。あとはプロの方に任せようと。職人であり、アーティストである美容師が仕事をする、そういう場所にしたいと思っていました。僕がパリで出会った、【仕事に強烈な誇りを持っているプロたち。】そういう彼らの仕事場をイメージしていたんです。

―この空間について、今はどんな印象を持たれていますか?またインスピレーションを受けますか?

ここにいると、僕もプロとして絶対に手を抜けないと、そういう気配がヒシヒシ伝わってくるんです。田中さんたちの怨念のような強い意志が(笑)。一切手を抜かないで創り上げてくれた箇所ばかりのここにいると、身がピリッと引き締まります。どこというよりも、全部なんです。カタログから床材や壁紙を選ぶことは一切なく、この床も染みを付けたり、壊して創り上げてくれた壁も、存在感のあるロッカーも。随所にプロの手間と創造性があふれています。その全部がない交ぜになって、僕を、そしてスタッフを刺激してくれる。まったく、気の抜けない空間ですね(笑)。ここは、自分自身のように感じるんです。別の場所で髪を切ると、とっても落ち着かない。店舗であり仕事場ですが、もう僕の一部分。この空間まるごと全てを身につけていたいと思うくらいの存在になっています。 (HowScopeインタビューから引用) https://www.howscope.jp/magazine/life/998/



"SOTOCHIKU"を自分の店舗やオフィスに活かしたい方へ。

物件が決まっていなくても、構想段階でもかまいません。 まずはお気軽にお問合せください。 お会いしたら、じっくりと構想をお聞かせください。 未来へ向けた空間づくりに必要なすべての源泉がそこにあります。 私たちの目がキラリンと光ったら、グリッドフレームに火がついた証拠です。 何か立ちふさがる問題があれば、それもご相談ください。 望まれればどこまでも一緒に考えます