Cafe/esthetic &hair salon Vanilla インタビュー
Vanillaはグリッドフレーム(GF)にとって、二つの意味で初めてのプロジェクトでした。ひとつは、東京から遠く離れた九州でつくらせていただいたこと。もうひとつは、建築の構想から参加させていただいたこと。このプロジェクトをきっかけに、東京近辺だけでなく、日本全国の町を元気にするようなお店づくりをしたい、と真剣に考えるようになりました。そんなきっかけを与えていただいた貴重なプロジェクトです。オープンして3ヶ月のVanillaで、オーナーの宇佐美しのぶさんにお話を伺いました。
GF:私たちGFを知ったきっかけを教えてください。
宇佐美さん:HPを見て、ファサードデザインが他とは違って斬新であることに魅かれてメールで問い合わせました。正直、どこに頼んだらよいか、わからない、何からはじめたらよいかわからない、という状態で、まずは問い合わせてみよう、っといった感じでした。
GF:メールを拝見して、こちらから電話しましたね。
宇佐美さん:電話の声から、なんとなく進みそうな、現実になりそうなインスピレーションを感じました。そして、内装のデザインや施工はグリッドフレームさんにお願いするとしても、建物のほうは地元の建設会社がよいというアドバイスをいただいて、まずは建設会社を探そう、ということになりました。GFさんと私と双方から建設会社を探して、結局、建設予定地すぐ近くの建設会社に決まりました。
GF:ほどなく初回のお打合せに伺いました。
宇佐美さん:問い合わせから割とすぐにお会いして、ゆっくり構想をお話しして、益々実現化への手応えを感じました。感性からの質問をしていただいて、いったい私の答えによって、何ができるんだろう、って。(笑)
GF:宇佐美さんの「人を美しくすることがその人の生活を変える」というお話がとても印象的でした。それに加えて、揺るぎない行動力・決断力を感じました。そういう、お会いして長時間のお話の中で感じたさまざまなことを素材として、それを空間に変換していく作業を入念に行い、1ヶ月後、空間を提案させていただきました。
宇佐美さん:コンセプトの文章や絵を見せていただいて、私の想像を超えていて、びっくりしましたが、すごく気に入りました。でも、私自身どうやってお店をつくっていくのか、順序も分からない中で、間取りとか機能とかの条件だけで決まっていくのではなく、感性の方から入って、お話が進んでいく・・・。いったい何ができるんだろう、って。(笑) 周りの人に、できあがりはどうなるのって訊かれても、わかりません、って。(笑)
GF:それでも、宇佐美さん発信の空間なんです。(笑)
宇佐美さん:細かい注文をしていないのに、できあがっていくのを見るのはなんだか不思議でした。間取りとか、ここはこうして欲しいというような条件を伝えてなくても、好きな空間はできるんだ、ということを目の当たりにしました。モノをつくるのには、やり方がきまっていると思っていたが、そうではないのだなぁ、と。そして、そんなことができるところは少ないだろうなぁと思いました。
GF:お店をオープンしてからはいかがですか。
宇佐美さん:お店をオープンして感じるのは、ここが町のパワースポットになっている、ということでした。大きな曲面壁がそのパワーを感じる人たちを引き寄せているようです。この空間の中を、スタッフたちが動き回って、さらに活気を感じていただけるようです。
個性的なお客さんが多くて、1日に3回来られるお客さんもいらしゃいます。(笑) 特に男性を引きつけるようで、今まではあまり出会えなかったタイプの方、例えば社長さんとかがいらっしゃるお店になっています。
GF:そうですか。でも、どんな女性も喜ぶような、いわゆる、かわいい店ではないですよね。
宇佐美さん:かわいいお店は他にたくさんあるから、いいんです。(笑)
GF:今後の展望をお聞かせください。
宇佐美さん:すごい空間ができた、と思っています。でも、ここまではGFさんのおかげで、ここから先は私がすごいものを輝かせて行く番です。すごいものと、すごいものが合わさると、本当にすごいものになる、と信じています。
今、このパワーのある空間に働かされている、と感じています。これを見て、今日もがんばる。そういう気持ちにさせてくれるこの空間を精一杯活かしていきたいと思います。